おはようございます、藤原です。
ちょっとした知人からのお誘いを受けて、あるセミナーに参加しました。
有名な書籍をもとにした内容で、心を扱う分野でした。
心を扱うといえば、お決まりの「顕在意識」と「潜在意識」が…。精神分析における「意識」と「無意識」に当たります。
未だにセミナー業界で、「無意識」が大切だと言われていることに愕然としました。
これはフロイトが提唱した概念であり、「無意識の意識化」という精神分析の手法は現在では古典として扱われおり、学術的には評価されていません。
しかし、20世紀の思想に大きな影響を与えたという点においては評価されるべきことだと思います。
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なぜ、多くの人は「潜在意識(無意識)にアプローチすることが大切だ!」というのか?
それは、「自分で考えていない」からです。
本に書いてあったこと、セミナーで講師が言ったことを丸暗記しているだけであり、それについて自ら考えを深めるとか懐疑することを諦めた行為だと捉えることができます。
一方で、知識はまず覚えなければならないし、それ以上の質の高い学びがなければ、それは自分にとっての最高の学びであり、知的欲求を満たしてくれるものでもあります。
さらに私たちは、小さい時から「素直に学ぶことが大切だ」と散々言われ続けてきましたので、疑う・懐疑する・疑問に思うということを無意識のうちに避けてきて、それが習慣となっています。その思考の癖に自分で気づくことはまずありません。
過去の私もそうであり、誰かが言ったことや本に書いてあったことをただ信じていました。
「意識」(顕在意識)と「無意識」(潜在意識)は、現在ではどのように扱われているのか?
フロイトの登場までは、「自我」とは自分の「意識」のことであり、意識は理性でコントロールできる、というのが常識でした。
ところが、フロイトは理性でコントロールできない「無意識」に支配されていると考え、嫌なことや苦しい出来事は「無意識」の部分にしまい込んで、普段は気づかないようにしている、と考えました。
ここまでを聞き、自分の過去を振り返ると納得できる部分も多いかと思います。
ある70代の方は、親がいつも激しい夫婦喧嘩をしていたので、毎日心臓が止まりそうなくらい辛かったと。そして、母親に甘えたくても甘えられない、母親を助けたと思ってもできない…。そんな自分がイヤでイヤでたまらなかった。だから、今は自分探しをしているとおっしゃっていました。
70歳になっても、まだ子ども時代の記憶にしがみついているのだと、ある意味可哀想になりました。
フロイトの説に合わせると、「無意識」の部分にしまい込んで生きてきたことが、何かの拍子に意識化されると不安になったり、精神の病に繋がったりするということになります。
これを別の視点から捉えると、「自分の過去の物語」にしがみついて生きたことであり、これが「思い込み」「固定観念」と言われるもの。そうなると、視野は狭くなり、思考の柔軟性をなくしてしまいます。
さて、フロイトは、「無意識」まではたどり着くことができましたが、「無意識が何でできているか?」まではたどり着けませんでした。
それを解明したのがある哲学者であり、「無意識は〇〇でできている」と提唱しました。
(答えを言いたいところですが、誤った解釈をしてもらうと困りますので、〇〇は、ご自身で想像してみてください。)
フロイトの思想(実存主義哲学)は、自己啓発業界に非常に馴染みがよく、哲学から切り離された時にその解釈が捻じ曲げられて伝えられてしまいました。このような残念なことはまだまだたくさんありますが、今回は、フロイトだけをご紹介しました。
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