おはようございます、藤原です。
私たちは日常生活の中で、誤った選択をしたり、他者から理不尽なことを言われたりして、思い悩むことがあります。
その時は感情的になったり、自暴自棄になったりするものの、時間が経過して冷静に考えてみると、自分にも問題があったと自省することもよくあるもので、私たちの日常生活は、意外と個々人の「思い込み」でストーリーが展開していくものです。
それなのに、多くの人は「思い込み」であることに気づかずに、「知識」をベースに意思決定をしたり、会話をしたりしていると信じ込んでいます。
なぜ、「思い込み」だと言えるのか?
自分の幼少期を思い出してみるといいかもしれません。
自分の家の家族構成や言葉使い、習慣やルールなど、生活のすべてにおいて、自分以外の人も同じであると思っていたり、保育園や学校の先生が言ったことは絶対に正しいと思っていたりもするものです。
成長と共に自分と他者の様々な面において「違い」が認識できるようにはなってくるものの、価値観などはかなり洗脳されてしまっています。
その価値観は大人になってからもほぼ同じであり、誰か(特に権力者や著名人など)が言ったことや、インターネットや本で目にした情報を盲信してしまう傾向にあります。
近年、よく聞く言葉に「科学的に証明されている」というのがありますが、実はそれが一番疑わしい言葉だと思っています。
世間に流布しているのは、ほぼ「疑似科学」と言ってよいでしょう。真の科学者やアカデミズムの世界では、「科学的に証明されている」という言葉を安易に使用することはありません。
「思い込み」と「知識」の違いは何か?
下記のセリフを聞く機会は多いと思います。
「O型の人は寛大で、A型の人は真面目」とか、「男は強くて、女は弱い」など。
これは、思い込みと言えるでしょう。
当たっていると思う人も多いかもしれませんが、そもそも何を持って寛大や真面目と定義するのか、強いや弱いと判断するのかは、その時の状況次第で変わるものであり、かつ、丁寧に言語化しないとわからないことです。
仮に、「女性は弱い存在なので守られなければならない」という価値観を信じたとしましょう。
それは女性に好意的で優しい行為であったりするかもしれませんが、別の見方をすると女性の役割を固定化させる危険性などを孕んでいます。
このように私たちは、「入手した情報」や「過去の経験」の影響を受けて、無意識のうちに偏ったモノの見方をしていることがあります。これを「思い込み」と言います。
この「思い込み」は無意識であるため、そこから生まれた言動が知らず知らずのうちに自分の視野を狭めたり、考え方を固定化したり、キャリアに制限を設けたり、コミュニケーションを阻害したりしている、ということに気づかないことが多いです。
もっとも厄介なのが、「自分にとって都合のいいように思い込む」傾向にあること。
あるいはそれとは真逆で、「自分を過小評価(卑下)する」傾向にあること。
脳のほとんどは「思い込み」でいっぱいですから、それを一つひとつ検証することは不可能です。それよりも「真の知識」を身につけることが大切。
そうすることで、やや時間を必要とするかもしれませんが、握りしめていた「思い込み」に気づけるようになります。
「真の知識」は「メタ知識」と言い換えることもできます。これを身につけている人であれば、「科学的に証明されている」という言葉に、矛盾や違和感を感じるはずです。
もし、科学と疑似科学の違いがわからないのであれば、「メタ知識」を身につけたほうがいいかもしれません。
疑似科学は、否定される可能性を認めない完全主義的なものであり、修正や改善といった絶好の機会を自ら放棄しているもの。あるいは、修正や改善を認めないもの。
科学は反証可能性があり、否定されたことが修正や改善されることで、さらに発展し真理に近づいていくもの。
(詳しくは、「美学研修会」でお伝えしています。)
「メタ知識」は、私たちが学校教育で学ぶ「基礎知識」を土台として、それよりも抽象度の高い知識(アカデミズムの世界であれば哲学)。
知識の詰め込みはあまりオススメしませんが、「メタ知識」(哲学や美学)の素養があったほうが世界を見渡す視点は圧倒的に上がります。
社会もビジネスも様々な人間関係も、視点の高い人が仕掛ける「言語ゲーム」の世界。
その中で賢く生きていく初歩的な一歩として、自分や相手の「思い込み」に気づくこと。そして、「メタ知識」を身につけることはとても大切です。
「思い込み」に気づく、有効な方法
無意識である思い込みに気づく、有効な方法として「哲学対話」があります。
(企業研修で取り入れる場合は、「メタ・オープンダイアローグ」が有効だと思います。)
哲学対話は、近年脚光を浴びています。老若男女を問わず参加できるので、自治体や学校、職場の研修や様々なコミュニティにおいて実践されており、視点を広げたり、合意形成を図ったりするのにとても役立っています。
この哲学対話の要(かなめ)は、ファシリテーター(進行役)。
ある程度、哲学の素養が必要となります。
哲学対話について、ご興味のある方はメールやLINEにてお知らせください。
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