おはようございます、藤原です。
「笑うと幸せになる」「笑うと健康になる」「笑うと脳(細胞)が活性化する」などという、笑いの効能を耳にすることがあります。
ある調査では、「ほとんど笑わない人」は「ほぼ毎日笑う人」と比べて1年後の認知機能の低下が大きいという結果が出ているそうで、笑うことのメリットが述べられています。
また、私たちは不機嫌な人の近くにいるだけで自分まで心理的影響を受けて不機嫌になってしまったり、その場全体の空気感まで険悪なものになってしまったりする経験を持っていると思います。
そう考えると、笑うことは他者にポジティブな影響を与えて、不機嫌なことは他者にネガティブな影響を与えているということであり、多くの人はこの価値観を受け入れているのではないでしょうか?
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果たして、「笑い」は人生においてよいことをもたらすのでしょうか。
(「笑い」と「笑顔」は似て非なるもの。今回は「笑顔」には触れません。)
極端な例を挙げると、「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなるのだ」(悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのだ)のような教えを積極的にやっている人もいますが、これってどうなのでしょう?
体の調子がよいから笑うことができるのであって、体調不良の時は笑うことなどできないのではないでしょうか。ということは、笑うことの前提条件として、体調に問題がないとか健康であるという要素が必要不可欠だということであり、冒頭で述べた「笑うと幸せになる」「笑うと健康になる」は、コペルニクス的転回を起こすことになります。
ここまでは「笑い」についての表層のみを扱ってきましたが、ここからが重要です。
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「笑い」の解像度を上げてみたいと思います。
一言で「笑い」とは言っても、大笑い、含み笑い、せせら笑い、あいそ笑い、苦笑い、泣き笑い、思い出し笑い、作り笑い、などと多種多様。(もっとありますので、ご自身で考えてみられてください。)
これを見ただけでも、「ポジティブな笑い」と「ネガティブな笑い」、「正常な笑い」と「異常な笑い」、あるいは「両義性をもつ笑い」などに大別することができますが、それはさておき、多種多様な「笑い」は、個人や社会にどのような影響を与えるのでしょうか?
笑いのメリットは、書籍やネット上に溢れていますので、あえてデメリットを取り上げてみたいと思います。
上記の中から取り上げると、「含み笑い」「せせら笑い」「あいそ笑い」「苦笑い」「作り笑い」などが関係してきます。
例えば、職場の上司から「あなた天然ね〜。」と言われた時、冗談だと受け止める人は大笑いをするかもしれませんが、皮肉を言われたとかバカにされたと受け止める人は「あいそ笑い」「苦笑い」「作り笑い」などをして、その場をやり過ごすかもしれません。(上司に対して怒りをあらわにする人はそう多くはないでしょう。)
このように心の中では嫌な思いをしていたり、本当は怒りたいけれども、それでは大人気ないので「笑い」で誤魔化すしかないと判断する場合もあります。
これらは「社交辞令、嘘、攻撃性、去勢」を内包した笑い。
その他、よくわからない出来事に対して、周りの人達が笑っているから、とりあえず自分も「笑い」でカモフラージュすることによって仲間意識を共有する場合もあるでしょう。
最悪なのが、いじめや差別の現場で起こる「笑い」。
いじめる側の笑いは、相手をバカにした不可解な笑いであり、攻撃性の強いもの。場合によっては相手を死に追い詰めることもできる非常に罪深い笑いです。
このように「笑い」の解像度を上げていくと、私達が常識的に考えている「笑い」からどんどん離れて矛盾を感じてしまうものですが、この美的距離感こそが重要。
これらの背景から「笑い」の本質を考えると…。
笑いとは、「他人を軽蔑し、見下すことから生じる快感(自己重要感)。時として他人を傷つける可能性の高いもの」だと捉えることができます。
「笑い」は、誰にもできる単純な動作かもしれませんが、その取扱は非常に難しいものであり、それを考えることが笑いのもつ「美学」だと考えています。
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