おはようございます、藤原です。
人は誰でも「幸せ」になるために、勉強や仕事をしたり、家事や子育てを頑張ったり、嫌な人とも無理して付き合ったりなど、涙ぐましい努力をしているものです。
しかし、努力しているのに「私は幸せになれない」「私は不幸だ」と自暴自棄になってしまう人も少なくないように感じています。
そもそも「幸せ」とは何なのでしょうか?
お金や財産がたくさんあることでしょうか。あるいは、地位・名声・結婚でしょうか。
賢い人は、そのように相対的な物差しで比較できるものではないと気づいていると思いますが、人間社会は相対主義で成り立っています。これは避けられない事実。
だからこそ、そこに無自覚であるならば、頑張れば頑張るほど幸せとの乖離が生まれることに…。
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「幸せに生きる」ことは、人間社会の永遠のテーマであり、日常の様々な悩みや苦労も、最終的にはここに帰着すると言ってよいでしょう。
これらのことは、西洋では古代ギリシア時代の哲学者、東洋では古代中国の思想家の時代から論じられてきたこと。
西洋の幸福論に共通するのは、幸福とは他者から与えられるものではなく、自分で獲得するものであること。
東洋の幸福論では、何もしないことによって幸福を得る(無為自然)、という姿勢。
近年では、ある経済学者が、「高収入は幸福感と関係ない」ということを発表し、幸せを求めると不幸になってしまうという「幸福のパラドックス」を語っています。
では、「幸福のパラドックス」に陥らないためにはどうしたらいいのでしょうか?
「幸せ」とは何かを自分で定義すること。
その前に、個人的には幸せには大きく2種類あることを認識しておくことが大切だと考えています。
「目先の幸せ」と「その先の幸せ」
多くの人がすぐに思い浮かべるのは「目先の幸せ」。「目先の快楽」と言ってもいいでしょう。
美味しい物を食べる、いい服を買う、旅行する、趣味に没頭するなど。
非常にわかりやすいけれども、数日、数週間も経てばすぐに忘れてしまう、あるいは飽きてしまう、さらには大きな刺激を求めなければ満足しなくなる、といった一時的でエスカレートしがちな感情。
この感情(欲求)は、どんどん膨らみ、自分の感覚までも鈍化させてしまう危険性の高い薬物のようなものでもあります。
一方で、「その先の幸せ」というのは、もっと心の奥底から感じる、自分の人生に対する充実感のようなものであり、「こんな社会にしたい」「こんな人のために役立ちたい」、そういった夢や目標へ向かって歩いている時に感じる、味わいの深いもの。
もちろん前者と後者の「幸せ」は、完全に切り離されたものではありませんし、どちらも大切です。人生はそんなに単純なものでもありませんから…。
しかし、人生を意義あるものにしたいなら、ある程度は別のものだと捉えた方がいいでしょう。
なぜなら、人間は本質的に意味のある何かのために動くことで「幸せ」を感じる生き物であるから。
本気でやりたいことがあったら、「目先の幸せ(快楽)」を犠牲にしてでも、そこに時間や労力やお金を投資しながら「その先の幸せ」を目指すことができます。
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しかし実際には「幸せ」という概念は実存しておらず、あくまでも主観的な感情。究極的には人それぞれ。
だからこそ、自分で「幸せとは何か」を定義することが重要になってくるのです。
ここで、そのテーマはあまりにも大きすぎると思われる方は、「本当に大切なことは何か」を考えてみられることをオススメ致します。
個人的には、太宰治の短編小説「きりぎりす」の主人公である女性の生き方に感銘を受けており、哲学を学ぶ前の私の認識とは真逆になったと感じています。
この主人公は、お見合いをして売れない貧乏な画家の元に嫁ぎますが、夫の仕事が軌道に乗るにつれて価値観にズレが生じていくのを感じます。お互いの価値観を大切にしたいと考えた彼女は、夫と別れることを決意します。
詳しく書くとネタバレになってしまいますので、興味のある方はぜひ手に取って読んでみてください。(短編なので時間もかかりませんし、「青空文庫」でも読むことができます。)
「東京美学倶楽部:九州支部」では、このような読後感のシェアを通して「思考」や「美学」を深めるトレーニングも行っております。
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