
親から見て「当たり前」の視点、世間の常識から見て「当たり前」の視点で、より我が子を厳しく叱る頻度が増していました。
それに比例するかのように子どもの生活態度が崩れていき、「自立」からどんどん遠ざかっていました。
私の中の一番の困り事は「進路を決められない、生活態度がままならない我が子」の現状でした。
自分なりに精一杯子どもに向き合ってきたつもりでしたが、今となっては、どうしていったらいいのだろう・・・と途方に暮れていました。
そんな時に、以前からお付き合いのあった藤原先生とお会いする機会があり、子どもの近況をお伝えしました。
「厳しい状況ですね。対応を変えることを急がれた方がいいかもしれないです。」と
お声かけいただき、個人コンサルを受けることにしました。
藤原先生には、これまで自分の中で閉じ続けていた家庭内の事実をすべてお話しました。
先生も恐らくここまで深刻とは思っておられなかったでしょう。
それでも、私を責めたり否定したりせず、丸ごと受け止めてくださいました。
個人コンサルがスタートして、子どもの現状は私のこれまでの「関わり方」に問題があったこと、ひいては「仕事」へも繋がっていたことに気づかされました。
どちらにおいても共通して、「完璧主義」「正論」「自分の足跡」で物事を考え、言葉に出してしまう「癖」が、「最大の障壁」となっていたのです。
私の中では、自分で努力して築いてきたビジネスの実績は、もともと自己肯定感の低い私を支えているようなものでした。
私の経済力で、家族の生活が守られているのを実感できたことは、少しばかりの自信にもなっていました。
仕事と子育ての両立は大変でしたが、お客様から喜ばれ、リピートもしていただけて、仕事の面では「結果」を出し続けることができていました。
2017年には個人事業主から株式会社に変更しましたが、それも自己選択と自己実現の領域を広げ、自信をつけるために選択した事です。
そして、十分に豊かではなくてもある程度の生活ができればいいと、現状に甘えている自分がいたのも否めません。
やはり、その考えは甘かったのです。
自分がやってきたことや自分の努力でビジネスの「結果」を出してきたという「自分なりの物差し」を、二人の子どもにそのままあてがい、「昔の部活根性」的な言葉を浴びせているだけでした。
「完璧主義」「正論」を振りかざしていたので、二人の子どもは応えようと懸命に頑張り、二人のうち一人の子どもは思春期後半になった今でも、私の愛情を確かめるような言動をとっていました。
個人コンサルをスタートしてから、「私自身の問題に向き合うこと」に多くの時間を割きましたが、これが「子どもの心を動かすこと」に繋がっていきました。
私が「正論」と思っていた言動や思考は、長年の「癖」として認識し、子育てとビジネスにおいて行き詰っている原因になっているものでしたので、軌道修正することに取り組みました。
少し進んでは何歩も後退する日々が続きましたが、子どもから「いい反応」を感じられたのは5ヶ月目からでしょうか。
幼少のころから思春期までに、学校や私生活で思い詰めていたことや、辛かった出来事を振り返るようになり、仕事から帰宅した私にそれとなく話しかけては、過去の話をするようになってきました。
時には涙することもありましたが、家庭が気持ちを表現できる「場」になったのだと嬉しく思えるようになりました。
子ども自身が、私に一言も打ち明けず違う形で自己表現をしていた辛い時期を、自ら溶解するようになり始めております。
世間では「当たり前」だと思われている事、親として「ちゃんとした子育て」ができた
と実感することは、「親の為」であり「子どもの為」ではないということも腑に落ちました。
半年前までの私は、「干渉しない親」だと思っていたのですが、気がつくと必要な時に適切な手を差し伸べられず、「自分が気になること」に過度な干渉と、行き過ぎた自己責任論を押し付けていただけでした。
私は仕事上でも「コミュニケーション」を重視しているですが、家庭では全く逆のことをやっていたのでした。
しかし今は、一番難しい家庭、特に「子ども」との関わり方を通して、「一番安心できる居場所」となるには、私がどうあるべきかを常に意識するようになっています。
「ビジネス」でも同じことが言えます。
事業においては自分の思考の癖である「完璧主義」や「正論」が私を立ち止まらせ、何年も行動を先送りさせてしまい、何度もチャンスを見逃してきました。
個人コンサルを受けて、一番私が変わったことは「正論と思っていた“大きな間違い”を認識できたこと」です。
仕事では専門性のあるサービスを提供しておりますので、お客様自身が気付かれない部分を掘り起こすことに、日頃より注力してきました。
これからは、人々の困り事にもっと共感でき、より察知できる自分になれるのではないかと思っています。
そして、さらなるサービスの向上を目指し、進化し続ける職業人でありたいと思っています。これからも日々精進していきます。
(T様 40代 会社経営者)